誤解を招く、やってはいけないポーズ

 ついうっかり、ということは誰にでも経験がある。文化が違えば、タブーも違うので、更に注意が必要だ。政治や宗教の問題をむやみに口にしたり、国によっては家族の話題さえ、避けたほうがいい場合もある。

 

 気を付けていても、ついやっちゃうのがボディーランゲージ。なくて七癖、無意識の行動だから要注意です。

 

 ここではその中から厳選して、イギリスでやってはいけないポーズの代表的なものを紹介する。なぜ、そのポーズがダメなのかは、主にその形状に由来するんだけど、ここでは省略。よいこのみんなも、やってはいけません。

 

1. 相手を侮辱するポーズ

 

 野菜売り場に行って、「大根を二本ください」というときについ出してしまう二本の指。これがまずいけない。

 

 相手に手のひら側を向けているか、手の甲側を向けているかで、伝えるメッセージが全然違ってしまいます。

 

 相手に手のひら側を向けていればピースサインということでOK。イギリスでは、勝利のVサインの意味なので、ちょっと違うけど、大丈夫でしょう。このサインも、ギリシャではNG。

 

 これとまったく同じカタチで手の甲側を相手に向けてしまうと大変なことになる。男性の場合はけんかを売っているのと同じだ。女性の場合はもっと大変な誤解を招いてしまうことになる。

 

 どうしても出してしまう人は、せめて、2本の指を密着させるようにする。これを更にすすめて2本の指を互いに巻きつけるようにすれば、"クロス・フィンガーズ"といって、"グッド・ラック"と同じ意味になる。

 

 映画"ロッキー"の何作目かで、病室で難手術を待つ少年が、その少年との約束を果たすため戦っている、テレビ画面のロッキーに向かって、無言で"クロス・フィンガーズ"を送るシーンがある。

 

 良い意味の"クロス・フィンガーズ"の方は英米共通だが、悪いほうの指二本の方はイギリスだけで通じる。アメリカで使われる同じ意味のポーズは中指を突き立てるというものだ。これも手の甲を相手に向ける。

 

 わざと二本指を使うこともある。約束の時間に約束の事柄をやってくれなかった同僚に"あと2時間以内にやってくれ、2時間だ"と半分本気で怒っているんだぞ、ということを伝えたい時などだ。

2 「私はゲイです」のポーズ

 

 同性愛が広く容認されているイギリス。

 

 両手を腰にあてて立つ。このとき、手の甲側を腰にあてると、(肩から腕、反り返った手の指のカタチが、ちょうど壺やポットの取っ手のようなS字になる。)これが誤解を生むポーズ。

 

 疲れたときについやってしまいそうになったら、ちょっと手首を返して手のひら側を腰にあてれば大丈夫です。