パブとはお酒を飲むところ。日本で喫茶店があちこちにあるようにパブがある。どんなに田舎でも公共の場として存在している。
パブの雰囲気は一軒一軒違っていて、気に入ったパブの常連になるもよし、次から次にパブのハシゴをしてもよしだ。ビールが好きな人には、こんなに楽しい国はない。
とりあえず、日本の飲食店と違うところをいくつか挙げよう。
食事
ランチやディナーをやっている店もある。たいていは時間を区切ったり、専用の場所を設けている。たとえば、ディナーテーブルでは食事のサービスを夕方8時までは受けることができ、その後はビール呑みに占領される。
仕事帰りにパブでビールを飲むと言ったら、食事をとらない。慣れないうちは、すきっ腹にビールというのはつらかった。おつまみといえばせいぜいクリスプスという日本で言うところのポテトチップス風のものか、ピーナッツぐらいだ。
営業時間
閉店時間は、地域、店によって違いはあるが、ウェールズではたいてい、10時半か11時だった(※)。女王陛下のおぼしめしにより、国民が呑んだくれて家庭や地域に不必要な混乱を引き起こさないようになっている。
日曜日の午前中は、建前上、国民は教会に行っている時間であり、パブは閉まっている。昼になってサンデーディナーとわれる食事を出すパブも人気がある。当然ビールもOKだ。
日曜日のお昼、お天気のもとで飲むビールはとても気持ちがいい。
支払い
前払い。カウンターでビールを注文するとコップになみなみと注いだビールを出してくれる。値段を言ってくるので小銭をジャラジャラと言わせながら払う。クリスプスやピーナッツも同様だ。
ポケットの小銭がなくなればおうちに帰る時間となる。お世辞にも計算が上手な人が多いと言い切れないイギリスで、しかもアルコールが入ることを思えば、日本のように勘定書を後でもってくるようなシステムでは、とてもやっていけそうにない。
チップはいらない。一度だけディナーテーブルを借り切って60人ぐらいでパーティーをやったときに、大変盛り上がって楽しかったので、2千円分ぐらい払ったことがあるが大変喜ばれた。(喜んで見せてくれたのかもしれない)
部屋
あまり小さいところは別にして、伝統的にはパブの中は複数の部屋からなっている。2つの部屋に区切られている場合、たいていはサロンと呼ぶ上品な作りの部屋と、もう一つは、気楽な感じの部屋だ。
ホワイトカラーとブルーカラーに別れて飲んでいると言っても大きな間違いはないだろう。日本人が階級社会と聞くと、何か差別でもしているように聞こえるかもしれないが、そうでもない。
それぞれに楽しくビールを飲むのために、同じ部屋に無理やり押し込めるのではなく、雰囲気に合わせて場所を提供しているわけだ。
だから、イギリス人を日本の飲食店に連れて行くと、たいていはその雑多な雰囲気に驚く。
※2005年11月24日以降、時間の制限は廃止されました。
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